気持ちの整理
この上なく個人的なことなので、書くことを長らく躊躇していましたが、やはりこの感情は残しておこうと思います。

ホームページの冒頭でも触れましたが、自身の履歴をことさらに振り返ってみると、どうしても外せない人物との出会いに気づかされます。
今になって、あれが人生の転機だったんだなと思い返される出来事には、必ず重要人物が登場します。

その人との出会いが無かったなら、その後の展開はまったく違っていただろうと想像すると、恐ろしくさえ思えてしまうような人たちです。
事あるごとに思い出し、感謝の気持ちを新たにしていた人物を、最近立て続けに見送ることになりました。
一人は、僕を音楽カメラマンとしての道へ導いてくれた、孤高のミュージシャン。もう一人は、スチールカメラマンからムービーの世界へと、優しく誘導してくれた名プロデューサーです。
お二方とも長いこと会っていませんでしたが、時を感じさせない懐かしさを不思議と持ち続けてこられた、大切な僕の恩人でした。

病気の噂を聞いてはいても、現実逃避のように会うのを避けていた、弱い自分でした。お見舞いに行った後の辛い体験を幾度となく重ねていたため、その人との別れを想像するのが当たり前のように怖かったのです。

結果、何一つ言葉を交わせないままの別れになってしまいました。

正直に言うと、驚きはしましたが感情はあまり乱れませんでした。
どこかで覚悟をしていたような気がします。
覚悟を決めて、早々と自己防衛の準備をしていたのかも知れません。

幼い頃から育った、故郷の実家が取り壊されました。(十年以上も前のことですが、、)沢山の思い出が詰まった古い小さな家でした。
目を閉じれば、部屋の間取りや大切にしていた品々を、手に取るように今でもありありと思い出すことができます。
幾度となく帰郷をして、数ブロック程の近所に立ち寄ることがあっても、決して近づくことのない場所です。
多分これからも、そこにある建物を目にすることはないでしょう。

現実に覆いかぶさられる前に大切な記憶を守りたい、そんな子供じみた感情が自分の中にあるということを、最近自覚しています。

先に行ってしまった人たちとの数々の思い出は、自分にとってかけがえの無い宝物です。思い起こすたびに心が和らぐ、魔法の映像です。
様々な場面での懐かしい声や景色が、タイムスリップするかのように頭の中で再現できます。(さすがにハイビジョンではありませんが、)
許されるならば、自分が召されるまで覚えていたい至福の光景ばかりです。

自分が恩人だと思っていたこと、いつかまた一緒に仕事がしたかったこと、それを伝えられなかったことを後悔しています。
多分本人を前にしたら、照れくさくてとても言えなかったとは思います。
言葉にしなくても、何となく分かってくれていたような気もします。(勝手な気休めでしょうが、、)
時間がたつにつれ、そんな止め処のない思いが強くなってきています。
 

結論の出ない問いではありますが、そんな中一つだけはっきり分かったことがあります。お礼を言っていない恩人達が、今なお自分の周りにこれだけいてくれるということが、、、


共に生きる友人達に、深い感謝の気持ちを込めて


ありがとうございます。




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