音の会話
最近、高校時代の仲間でバンドを始めました。
ギターとベースは夫婦で、海にほど近いのんびりした郊外に居を構えています。
もう一人のギターはお医者様で、学会を兼ねて故郷から飛行機でやってきます。
僕はファジーなリズムが得意なドラム担当です。
練習場所は、夫婦の作った立派な(?)スタジオです。
早くに巣立った息子さんの部屋を改造してあるようです。
すべて手作りですが、音楽好きの主の手が行き届いた、申し分のない環境になっています。
 
まだ数回しかセッションをしていませんが、回を重ねるごとに少しずつまともな音に変化してゆく、伸びしろたっぷりな素人バンドです。
主と僕は、高校時代に同じバンドをやっていましたが、奥方とお医者さんは最近になって本格的に始めたとのこと。
そんな中年どもが集まって出す音ですから、今は間違っても人前で披露できるレベルではありません。(将来は分かりませんよ!?)
みんな自分のパートに手一杯で、他の楽器の音にまでは気が回らない状態です。
それでも少しずつ余裕が出てくるのに比例して、それなりにバンドの音になってゆくのが、とても面白いのです。

楽器というものは正直で、上手い人も下手な人もちゃんとその感情が音に表れるものです。
自信のあるときは力強く、逆のときにはヘロヘロの音が出てきます。
互いに照れながらも、徐々に自信の音へと成長させてゆくにつれ、そこにひとつのGROOVE感が生まれてきます。
そんなときのメンバーの顔は、数十年前の昔に戻ったように、若々しくキラめいています。
多分、個々の仕事場では見られない、とっておきの表情なのかも知れません。
そんな瞬間は、えも言われぬ気持ちの良いもので、それを一度味わってしまったが為に、人生の岐路に迷う(?)若者が絶えないのも知れません。

僕らにはもう、迷うほどの選択肢は残されていないので、開き直って音楽を楽しむことができます。
端から音楽を極めるつもりがないのが、むしろ強みになっているような気がします。
プロのミュージシャンのように同じ演奏は2度とできないし、やりたくもありません。
その時々の気分で、ひたすらかき鳴らしているだけです。
『これって井戸端会議みたいだな』
叩きながら、ふと思いました。

訛りだらけでボキャブラリーに乏しい会話でも、昔からの仲間とは十分に分かり合える。
そんな感じがたまらなく嬉しく思える、今日この頃です。

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