現実と夢++
美少年ヌードの撮影後、どういった風の吹き回しか時を置かずに新たな仕事の依頼がありました。
今回の電話も【写楽】の特集を見たという編集者からのものでしたが、ひとつだけ違っていたのはそれが音楽雑誌からのものだということでした。


『はじめまして、こちらロッキンfと申します。』

(シッテル! シッテル!!  アマリカッタコトナイケド 、、)


『写楽の写真凄かったですね〜 びっくりしました〜!』

(デモ シゴトコナインダヨネ〜 、、、)


『あんな連中のこと、僕らも知りませんでした。』

(ボクモ シリマセンデシタ 。。。)


『できれば、今度うちの雑誌でも写真を撮って頂けませんでしょか?』

(マッ! マッテマシタ〜〜!!!)

小躍りしながらも、極めて平静を装って僕は答えました


『ア〜 イイデスヨ〜〜』


『実は、あるバンドの密着取材をお願いしたいんですが?』

『ミッ ミッチャク!?』


『バンドのツアーに同行してもらって、ステージやドキュメントを色々撮ってほしいんですけど、、』

『そういう仕事は受けてもらえますか〜?』


(ウケルモナニモ ナンデモヤリマスヨ〜〜〜!!)


『普段は楽屋裏までは撮らせてもらえないバンドなんですが、今回特別に許可がおりたので、雑誌の方でも特集ページを組むつもりなんですが、、、』

『滅多に無い機会なので、是非お願いできないかと思いまして〜』


(キタ!キタ〜〜!! 夢の第2弾〜〜!!)

はやる気持ちを抑えつつ、勿体ぶって尋ねました。


『いいですね〜! ところで、誰を撮るんですか〜?』
 
『あの〜 RCサクセションというバンドをご存知でしょうか?、、、』


(エ〜〜〜〜〜ッ!!!!!)


〔僕はどうやら人と同じ事をするのが苦手なタイプのようです。
とは言うものの特に強い顕示欲があるわけでもなく、今まで漠然とマイペースで生きて来た気がします。
そのひねた性格は音楽の趣味にも反映していて、皆で肩を組んで歌うフォークソングの部類は、学生の頃から生理的に受けつけませんでした。
特に高校時代に組んだロックバンドの影響もあり、ゴチゴチの洋楽人間だったように記憶しています。
英語の歌詞の意味が分からなくても一向に構いませんでした。
その曲の持っているリズムやメロディーラインから感じられる何かにこそ、心が揺さぶられる気がしていました。
さらに長期間アングラの世界に接していたおかげで、大衆受けする表現に対しある種の偏見が芽生えていたようにも思えます。〕


当時、泣く子も黙るカリスマロックバンドが、このRCサクセションでした。
その過激かつ華麗なパフォーマンスの噂が、日本中に伝染病のように蔓延し始めているところでした。
僕は実際に彼らのコンサートを見た事はありませんでしたが、数多くの音楽誌を彩るその写真からは、容易にその勢いを感じ取ることができました。
何とも形容し難いド派手なメイクとコスチュームで、ステージ上を所狭しと暴れまくるメンバー達のパフォーマンスは、それまで僕がなじんできたアングラロックの世界を彷彿させるような、強烈な印象を残していました。
ときおりラジオから流れてくるその独特な歌声からは、普段は気にも留めない日本語の歌詞と情感が、不思議と素直に伝わってくるような気がしていました。
それは、かつて日本のバンドから味わった事の無い、新鮮な経験でした。


『まあどれ程のものか、この目で確かめてやるか!』
と、いつものように(何の根拠も無く)偉そうに構えていた僕でしたが、これがその後の自分の人生を決定づけてしまう程の大仕事になるということに、(当然の事ながら)気づく由もありませんでした。



(つづく)



(やっと本筋に戻って参りました。ちょいとそこら辺を散策するつもりが、本人も予想しなかった長旅になりました。RCを語る前にどうしても伝えておきたかった記憶が次々と蘇ってしまい、退屈な話を長々と書き連ねてしまいました。RCネタを期待なさっていた方々には、心よりお詫びを申し上げます。)




コメント(24) / トラックバック(0)カテゴリ無し
2010年1月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

新着アーカイブ
▼意外や意外!
(2013/5/9 17:21)
▼肩の荷
(2012/11/19 10:28)
▼秘密兵器
(2012/6/27 11:48)
▼【歌旅】に想う
(2012/5/24 15:09)
▼紙一重
(2012/3/2 20:30)
▼心境の変化
(2012/1/28 19:56)
▼心の岩盤浴
(2012/1/23 03:24)

月別アーカイブ
2013年05月(1)
2012年11月(1)
2012年06月(1)
2012年05月(1)
2012年03月(1)
2012年01月(2)
2011年12月(1)
2011年11月(2)
2011年10月(1)
2011年08月(1)
2011年07月(1)
2011年02月(1)
2011年01月(2)
2010年12月(3)
2010年11月(2)
2010年09月(2)
2010年08月(2)
2010年07月(1)
2010年06月(2)
2010年05月(2)
2010年04月(1)
2010年02月(1)
2010年01月(1)
2009年12月(2)
2009年10月(2)
2009年09月(1)
2009年08月(2)
2009年07月(2)
2009年06月(3)